今回は、コピーライターとして作家として、今まさに覚悟を決めて生きていこうとしている船戸愛さんをお迎えしました。愛さんの友人であり、ミュージシャンでデザイナーのひろみさんにも加わってもらい対談を進めました。私にとってもひろみさんは長年の友人であり、3年ほど前にひろみさんから、友人でバンクーバー在住の絵本作家の人がいると紹介されたのが、船戸愛さんでした。そして、愛さんの絵本を3号店のメルシーズブックスでも取り扱うようになり、そして今回、愛さんがバンクーバーより一時帰国し、ひろみさんを訪ねて豊橋に来るというタイミングで、インタビューさせていただきました。

以下 (N)メルシーズ 中田 (I)愛さん (H)ひろみさん
(N)お久しぶりです。今回は日本にいつからいつまで滞在するの?

(I)11月1日から30日まで、まるまる1か月います。一年に一度の里帰り。

(N)それは、日本のみんなに会うために?

(I)そうです。父親はまだ明石に住んでいるので。

(N)明石ね…それで、なんで豊橋に今来たかっていうと…?

(I)と、ひろみちゃんなんです(笑)

(N)ひろみちゃんと会うために?

(I)そう。

(H)すごいでしょ(笑)

(N)ひろみちゃんに会うために何日も?

(I)そう、図々しいなって思いながらも(笑)

(N)そんなふうに繋がるものなのかねぇ?

(I)ひろみちゃんに初めて会ったのは、バンクーバーの教会でやってた小さな英語教室。新聞に小さな記事で載っていて、たまたま行ったらそこに彼女がいて。「あ、なんか 可愛い子がいる」って。

(H)ほとんど中国人で、日本人はほとんどいなくて。

(I)その中で、お互いに「可愛い人がいるなぁ」って思って。

(H)そう。

(I)それで友達になったんですよね。彼女も音楽をやっているし、詩も書いてるし、私は私で言葉のお仕事や、創作を続けてきたので。興味あるものが一緒。そこで初めて出会 った気がしなくて。それからは、一緒にオープンマイク出たり、バンクーバーでいろんな遊びしましたね。

(N)その時は、自分は何歳?

(I)何歳だ…?5年前くらい?

(H)うーん、31とかじゃない?

(I)じゃあ私は34とか5とか?

(N)で、ひろみちゃんは一足先に日本に戻ってきて、愛ちゃんはまだバンクーバーにいるという?

(I)はい。ご縁があって(笑)、永住権を持っているので。

(N)まぁ、こういう話から入るのは何だけど、その、今も向こうを拠点とする形は変わらない?

(I)そうですね。私が海外に行ったのは、「英語を学びたい!」とか「移住した い!」とかではまったくなくて。たまたま、前に結婚していた人が、アメリカの起業で働いていただけなんです。彼とは数年前にお別れしたんですが、なぜか、自分の中で日本に帰るっていう選択肢がなくて。向こうで働いたこともない、英語も上手じゃない、なのに、「自分はバンクーバーで生きて行く」と。

(N)それは、今もないの?

(I)今は、一緒に暮らしている彼や、心から通じ合える友達がバンクーバーにいるし、大好きな街だから。今のところは、ここにいます。だけど、基本、どこでもいいんですよね。好きな人がそばにいれば(笑)

(N)なるほど。

(I)こうやって帰りたいときは帰ってくることもできるし。あとは、ここ数年でほんとに便利になって、世界のどこにいてもお仕事できる。自分はフリーランスでコピーライターをやってるので、それこそミーティングから納品まで、ぜんぶZoomで済んじゃう。どこにいても大丈夫だし、どこに住んでるクライアントさんでも大丈夫。

(N)愛ちゃんのホームページを見させてもらって、中田ね、結構見たの。

(I)ありがとうございます(笑)

(N)前もここで話したときに、もっと全面に愛ちゃん自身を、自分を出しなよって話をしたけど。それが、すごく愛ちゃん自身が全面に出てて、あのホームページ。おぉ、いいなぁと思って。

(I)中田さんの言葉に勇気を頂いて。

(N)いやいや、覚悟があるんじゃないのって。その覚悟が、何か伝わってくる感じで、すごくいいなぁと思って。

(I)ありがとうございます。

(N)で、値段を決める。これがすごくいいなぁと思って。まず、そこの基準点(値段)を表に出したということは、すごくいいんじゃないかなぁって。それはどういう反応になるか、分かんないじゃない?でも、一つの基準が目の前に出てくれば、それは受け取る側が、いろんなことをそちらの判断で決めれるでしょ?それを相手に投げかけるということが、すごくいいことだなと思いながら、ホームページを見てた。

(I)ちょうど1年前、中田さんにお会いした時は、本当に、自分の価値がわからなかったんです。何年も奥さんして、まあ時々フリーの仕事もらったり、イベント企画したりコミュニティつくったり、何かしらしてましたけど、お金は稼いでもいいし、稼がなくてもいいって感じだったんですね。 だから、向こうで「自立する」って決めた時に、最初は不安で、「とりあえず英語で働かなきゃ!」って、スターバックスでバリスタしたりとか、ちょっとホステスしてみたりとか(笑)。結構、迷走していたんですよね。自分のコピーライティングの仕事で生きていくっていうのが全然信じられなかったから。 でもやっぱり、いろんな方が、「もっと出していったらいいよ、いいもの持ってるから」って言われて、初めて「そういえば、“書く”っていう仕事を、すごく置いてけぼりにしてたな」っていうのがあって。コピーの、言葉の仕事に本当に向き合うのが怖かったから、「できない」って決めつけて、逃げていたんですね。でも、逃げずに...逃げることにも勇気がいるので(笑)。なので、一回逃げずに本当に向き合ってみようかと思って。で、全部辞めたんですよ。お金のためにやってた仕事を、全部手放した。もう、すっぽんぽんなんですけど。何のあてもないし。でも、一回集中してやってみようって思った時期があって。そこからホームページを作ったり。自分のサービスに値付けをして。

(N)それは何か理由があるの?

(I)なんというか、好きじゃないことをできなくなったんですよね。スターバックスで 働いてるときに、すごく楽しかったし、世界的起業のサービスを勉強させてもらったし、 同僚やお客さんもみんな大好きだったんですよ。でもね、ふと、汗だくでラテとか作りながら、カウンターの向こうにいる綺麗なOLさんたちが...カッコイイスーツ着て、綺麗なヒール履いてビジネスしてる女性たちがいて。その後姿を見ながら、「あぁ、私もあっち側に行きたい!!」って、思っちゃったんです。

(N)でもあっち側の人が、こっち側を、いいなぁって思ったりもすることもあるでしょう?

(I)あぁ…そうですね。

(N)スタバで、初めての英語を使って仕事をするということは、当然いろんな成長段階があったと思うんだけど。どの仕事もいろんなことがあるんだよな。でもまぁ、今言う“言葉”…いろんなことがあって、いろんな流れがあって、言葉で勝負したいって思ったのは、言葉っていうのは、愛ちゃんにとってはどういうものになるの?

(I)言葉はどういうもの...なんかすごい質問がきた(笑)。言葉は、私はなんか小さい頃から、自然に側にあったというか。オタクな女子だったので、自分で漫画書いたりと か、その漫画に題名つけたり、キャッチコピーつけたりとか。セリフとかもそうですし。 なんか、ただ楽しんでやってたんですよね。思春期になるにつれて、それが小説になったりとか、詩になったり、おどろおどろしいヘヴィメタルの歌詞を和訳したり(笑)。
思春期になると、世の中に対する憤りとか、自分の中の抑えきれないエネルギーが溢れてますよね。とにかくガリ勉オタクヘヴィメタル好き女子だったので、発散するところがなくて、書くことでぶつけてたっていうか。それは別に誰に見せるものではなくて、ただただ自分のために書いてたんですよね。ヒーリング...じゃないけど、なんかこう、出てくるものを言葉にぶつけてたというか。

(N)それくらい溢れ出るものがあった?

(I)あったんですね。それはもうドロドロしたものだったんですけど。ティーンエイジャーの時の。

(N)書くことによって何か変わる?

(I)書くことによって、名前のつかないものに名前がつく。とか、形にすることでそれが解放されるというか。名前がつかないから、ずっと心の中に漂ってるので、それに名前をつけて出してあげるという作業だったんですよね。

(N)その作業をすることによって、何か自分が浄化されたりとか?

(I)そうですね。浄化されたと思いますし、出てきた言葉によって、自分自身がすごく楽になったとか。大したものは書いてなかったんですけど。暗黒な感じの、暗い感じの、なんかドロドロしたようなものを、ただぶつけていたんですけど。それによって自分を救っていたというか。別に誰にも見せてなかったですし、自分で仕事にしようとか一切思ってなかったんですけど。

(N)今ね、いろんな段階を踏んで、こういう勝負してみようというのがすごくよく伝わっていて、最初はそんな、お金になっていくとかそういうものじゃないかもしれないけど、愛ちゃんのホームページを見た人は、何かしら貴方に興味を持つと思う。仕事を頼むってことは、まずその人に興味をもって頼まれるようなこともたくさんあって、ただ、いかんせん言葉で勝負するってことはなかなかお金のやり取りに結びつかないことも多々あって。でも、ある段階を超えたときに、なんかすごく可能性を感じるのね。言葉だからこそ。

(I)はい。

(N)どっかの沸点を超えたあたり。

(I)あぁ、沸点か…。

(N)そこまで持ってくには、愛ちゃんがいろんな分野の中で、世に出てきて知られていく中で、違う“言葉の人”になる気がするんだよね。だから、面白いなと思う。そうなったら、いろんなものにどんどん…あの、昔言ってた「やっちゃいなよ」ってのは、それがどういうふうに結びついて、いろんな人の目に触れた後に、実は私はこういう言葉のほうにいった人なんだっていうことが、どっかで誰かの頭のポイントに入っていたら、なんか繋がっているような。で、どっかの沸点超えたら、ぐっと遠い存在になるような。よういう雰囲気はあるんだよね、愛ちゃんは。そこまで持っていくには、本当に並大抵なことではないと思うんだけど。今、愛ちゃんが言う、すっぽんぽんになるという。いろんなものを。そこからしか始まらないと思うんで。その感じがすごく伝わったからこそ、今このタイミングでインタビューってのを持ち掛けたんだ。

(I)あー、ありがとうございます。そうですね…うん。

(N)ホームページの中で、コピーライティング、ワークショップ、ストーリーってのがあって。愛ちゃんの絵本…『まっくろ鳥とんだ』。これはストーリー、が入ってくるんだけど、あの絵本もすごくいいじゃない。今でも3号店に置いてあるけど。ああいう発想のことってのは、自分が10代の頃からあった?

(I)そうですね、10代の頃は本当に絵本の真っ暗闇の途中だったから。ちょうど、あの 絵本の前半の部分だったんですね。ただただ、暗闇の中にいて、自分のことも真っ黒だと 思っていて。光があるとか、自分も光だなんて、一切気づいていなかった。
あれを書いたのはやっぱり20代の半ばのいろんなこと...真っ暗の中で、自分の正体もわからなくて、ただただ苦しくて、それを人のせいにして、何も解決しないような堂々巡りの時期があったんですけど。あるとき自分の中で、ものすごい大失恋をして、「あ、自分の幸せって人に頼ってたら、その人がいなくなった時にどうしようもなくなるんだなぁ」って。その時に私は保険の事務職っていう、全く自分に合わない仕事をしていて、もう、「仕事も嫌だし、大好きな人はどっか行っちゃったし、もう何もない!!」みたいな。誰かがどっかに行っちゃうだけで、こんなにも不幸になる。そんな恐ろしいことがあるかと 思って、その時に「あ、もう絶対に、好きなことを仕事にしないとダメだわ」と思って。
もちろん、私は愛する誰かと一緒に生きていく。だけど、自分の足でも、ちゃんと立っていたい。その時に、「自分の一番好きなことってなんだ?」と考えて、やっぱり、言葉だなって。そこで初めてコピーライターっていう仕事を知ったんですよ。そこから宣伝会議の養成学校とかで勉強し始めて...それから、ですね。

(N)言葉で、一番、何を伝えたい?

(I)言葉で、ですね。うーん、コピーライティングや絵本の創作もそうだけど、いろんなことやってきてるんですよね。編集長をしていたWebメディアの【StartS】とか、そ の前にやってた、イベントグループの【ここから会】とか、一見「いろいろ」だけど、でも共通するものはすごく一緒なのかなぁと。今やってることも、過去やってきたことも。
言葉でもって、コピーを書く。物語を創る。イベントを開催する。その中心にあるのは、「自分の中にある才能や可能性に気づいて、それを輝かせてほしい!」っていうこと。まぁ、そう言ってる自分自身も今その途中なんですけどね(笑)。
コピーライティングってのもまさにそうなんですよね。誰かの...例えばひろみちゃんの、 webサイトの文章を作るっていうのは、ひろみちゃんの想いはもちろん、まだ迷いの中でモヤモヤしながらも、「こういうことがやりたい!!」っていう情熱や可能性を引き出してあげて、それを言葉って形にしてあげることで、ひろみちゃん自身が”ひろみちゃんブランド”として、一歩踏み出せるサポートをしてる。
結局、何をやっていても、誰かの第一歩を応援したり、「あなたにもできるんだよ!」ってことを伝えていきたいんですね。だって、この世のすべての人が、才能を100%活かしきったら、この世界は、どんな世界に変わるんだろう、この星は宇宙から見て、どんな星になるんだろうって思ったら...それを想像したら涙が出てくくらい。私がやりたいのは、そこなんだ、って。

(N)言葉を介して人と繋がりたいって思いもある?

(I)そうですね。自分が才能を活かしきると、自然と繋がっていくと思うんですよね。
自分が必要な人と。恋愛でもそう。自分が自分のこと知ってたら、どんな人と一緒にいたいか、どういうふうに人生を生きたいか。っていうことも自然に分かってきますし。そうしたら、自ずとそれに寄り添う人と出会える。逆に、自分のことがまだ分かんなかったら、それに呼応してなんだか分かんない人と出会っちゃったりね。ひろみちゃんと出会った時は、初めてだけど、すぐ仲良くなった。それは、自分が自分の好きなこととか、楽しいことをわかってたから。

(N)すぐ仲良くなれるタイプじゃない?

(I)なれるタイプって言っても、誰でも…。

(H)いやでも、自分の中ではやっぱ「この人は」っていう、興味のある人にはいくけど、興味ない人だとまぁ、その場の会話だけで…。

(I)好きな人とは、すぐ仲良くなれる(笑)。自分のことをわかる、自分が愛の存在であるっていうこととか、自分が何を介して、何をしようと生きているのかっていうことを 知ると、自ずと必要な人と繋がっていくと思うんですよ。それに気づき始めている人とかも、気づいてバンバンやってる人もいるし、なんか私は気づき始めている人とか、第一歩を踏み出した人を、すごく応援していきたいなっていう思いがあって。だからこう、人と人とを繋いじゃうんですよね。それがイベントとか、コミュニティーを作っていた時の原動力だったんですけど。

(N)今やってることを、ずっと、40代50代になっても、どんな形であれ、模索しながらやっていく。それをやれる限りやっていってもらいたいなぁって、すごくあのホームページを見ながら思ったんだけど。

(I)ありがとうございます。

(N)今バンクーバーで…バンクーバーってカナダじゃん。このラインってさ本当に、やっぱいいじゃんね。

(I)そうですね。気候的にも。

(N)バンクーバーと日本を行ったり来たりしながら自分を確立するって考えた場合に、例えばバンクーバーと日本を繋げると思って、それを言葉でやろうとするとどういうことがやれるのかね?

(I)もう、既にそれができてきているっていうか。距離とか時間とかがなくなってきて いるなぁっていうのは、Zoomとか、ITとかネットが進んでいるので、なんかどこの世界にいても同じ意識を持ってると、一瞬で繋がる。そういうのが実現してきていますね。だから、どんどん場所は関係なくなってる。ただ、やっぱり日本から出て、海外にいる自分なので、日本への愛おしさもすごくあるし、日本人が持っているものの素晴らしさっていうのも、ものすごくある。だからバンクーバーから、日本にいる人に、もっと日本の良さっていうものに気づいてほしい。どれだけ素晴らしいものを持っているかとか。どれだけバンクーバーで日本人が重宝されているかとかっていうのを、伝えていきたいなと思いま す。

(N)バンクーバーには何年住んでるの?

(I)今、8年目です。2010年からですね。

(N)8年住んだバンクーバーで、一番これを伝えたいなって思うことは何?

(I)バンクーバーについてのことですか?

(N)そう。

(I)日本の方に、バンクーバーはこんなところだよっていうのを?

(N)そう、それを僕らに。

(I)バンクーバーのいいところはやっぱり、人と自然と町のバランスがすごくいい。どの場所にいても森が側にあって、湖が側にあって、自然がものすごく近くにある。ちょっと車で20分30分行ったら本当に山の中に行って自然の中に囲まれるし。あとすごく多民族…移民の街なので。多様性があるんですよね。だからもう肌の色とか髪の色とか、言葉が違って当たり前。だからいちいち、「あんたそれ、いつも黒着てるのに、なに赤着て」みたいな。あと「私たち黒やのに、黄色着て」みたいな。そういうのは一切ない。だって肌の色だって違うし、形も違う。本当に個性がそのまま受け入れられる。差別じゃなくって。それはアメリカニューヨークとかでもいろんな移民の人いますけど、ニューヨークだとメルティングポッドとかいって、それがアメリカ内で好かれちゃう。イタリア料理でもアメリカンイタリアンとか。「そこに染まれよ」っていう。バンクーバーはモザイクっていうふうに呼ばれてて、それぞれの色、赤だったり黄色だったり。それぞれの色をお互いに尊重しあって、そして新しい一つの絵を作る。なんかモザイク国家って呼ばれてるんですよ。今、トランプさんのこととかいろんなことでアメリカが火がついてる中で、カナダのイケメン大統領がスピーチしたのが私はすごい感動したんですけど、「あなた(市民)がどこの国から来ようが、肌の色が何であろうが、誰を愛そうが、いつでもあなたたちはカナダという国に受け入れられています。あなたたちはカナダの国民です」っていうスピーチを読まれていて。それに私はすごく感動して。受け入れあって、認め合って、尊重しあう。どっちが上とか下ではなくて、ただそのものの存在でいられるっていうことが本当に素晴らしいなぁって思いますね。

(N)と、なると、今言うように自分がここっていうこともなしに、バンクーバーと日本と行ったり来たりしながら、自分らしさを確立しながら、もしかしたらまたいろんなものがついてくるかもしれないけど。でも、主体としたい“言葉”っていうものを自分の中で確立できているわけだから、それをもとに、その幹を増やしていくために、どういう行動をしたらいいかっていうことにおいては、色々と決めやすくなる。その意味においては、今から40代50代と始まる中では、わかりやすくて良い立ち位置にいると思うのね。だから、前にも言ったかもしれないけど、愛ちゃん自身が、取り上げられていく感じがあるんだよね。それがいつっていうのは分かんないんだけど。今の、言葉でもがいているっていうのが、すごくいいと思う。それでいってほしいっていう思いがある。

(I)はい、ありがとうございます。

(N)ブログを見て、中でも、この題名なのかな。雨でも晴れでも。光でも闇でも。あといいなぁって思うのが、doingとbeingのミルフィーユ?

(I)あぁ、はい。去年の…。

(N)言葉がいいなぁって思うのがいろいろあって。本当に全部見てないのかも知れないけど、言葉の愛おしさみたいなのが伝わるなぁ、みたいなね。その辺りを、こういうことがあるのかどうか分かんないけど、例えば、今“愛講座”があるって聞いたけど、もっと表に出る方法で、愛講座…言葉の講座みたいなのをやりたいよね。

(I)そうですね。今はオンラインZoomを中心にやっていて、少しずつ広まってきてる かな。という。

(N)誰でも言葉を発せられるからこそ、それに付加価値をつけながら、集まった人たちが一歩また上に行けるような。そういう言葉の使い方じゃないんだけど、もっていき方の講座みたいなのが…それってさ、本当になんかカメラの講習とか、絵を描く講習とか、目に見えて上達とか、もしかしたら、なかなか分かりづらいんじゃないかな。だから集客って意味では、なかなか手元に残らないからさ…だからこそ、その上に引き上げれるようなそういう何か講座を作れないもんだろうか。

(I)ちょうど、この間新しい講座をやったんですよ。っていうのは、私すごく迷ってた んですね。今、誰でも発信できる時代というか。カメラもね、そうですよね? 誰でもなんとなくは、きれいに写真が撮れちゃう。ブログもみんな誰でもアップできちゃって。一億総ブロガー時代みたいな感じで、いろんなブログが本当何万、何百万とあって。そういう中で、どういう文章術やコピーがもてはやされているかっていうと、やっぱ売るためのコピーなんですよね。マーケティングとかセールスとか。こういう人間の心理を使って、こういうテンプレートで当てはめて、メリットをうたって、「こういうステップで売っていきましょう」みたいな。私、それはもちろん自分自身でも勉強してたし、自分には足りない部分だなって思っていたけど、でも、なんか本当にみんな同じテンプレートの中には まってるというか。そういうもには、何かが全然、圧倒的に足りないというか、寂しい気持ちになって。でも、今求められているものって、そういう、「売るため」のテクニックなのかなって。自分もそっちを教えないといけないのかなっていうような焦りや、「でもどっか違う!」っていう虚しさがあったんですけど。そんな時に、私がマーケティング系のコピーライティングを習っていたプロのコピーライターの方がメッセージをくれて、「愛さんのコピー見ました」って。それは、アパレル系のブランドのキャッチコピーだったんですけど、それは全然売れ売れ系な感じじゃなくって、なんかちょっとアートっぽい、ヴィジュアルがあって、ポンと美しい文章があるっていうようなコピーで。「どうやったらそんな綺麗な言葉が生まれるんですか?それが知りたい」って。マーケティングコピーの先生から言われたんですよね。それで、「あ、それで何百万もバリバリ稼いでいるようプロのライターさんが、そういうことを知りたいって思ってくれているんだ」って思った時に、やっぱり自分がやっていきたいって思っていたこととか、言葉に対して大事に思っていたことっていうのが、必要とされているんだってことに初めて気づいて。見失おうとしていた自分の価値に、改めて気づきました。

(N)光が当たったんだね。

(I)光が当たりました、その時に。「こっちやってかないといかんのかなぁ」って、でもなんか全然心が嬉しくないって思ってた時に。だから改めて、「これでいいんだ。私はこれでいいんだ」っていうのが見えて。そこで彼が講座にも興味を持ってくださったので、「じゃあ、全然テクニック系じゃなくって、どうやって私が言葉を生み出しているのかっていうのを、○○さんのためにつくります」って。で、2時間の講座を作ったんですよね。それを、いろんな他のコピーライター仲間を集めてくださって、この間やったんですけど、ものすごい喜んでくださって。自分自身も、自然に言葉っていうものと接してたんだけど、どうやってそれが出てくるのかっていうのを人に教えるときに、改めて、言葉って生き方そのものというか、世界をどういうふうな目で見るかっていうことなんだなって。だから、いかに生きるかっていうことが、出てくる言葉にものすごく...。

(N)大事なんだね。

(I)そう。繋がっているから、だからもう「生きてください」としか言いようがないです。でもまぁ、それだと一瞬で講座にもならないので、こういう視点で見たら面白いよとか、3歳児の気持ちに戻って目の前にあるものと対話してみるとか、五感を使って今この瞬間っていうものを感じてみるとか、そういうレッスンみたいな感じで2時間やったんですけど、それがものすごく新鮮だったみたいで、自分自身も今までいろいろやってた文章術の講座よりも心が喜びながらやってた。面白かったんですよね、それを伝えることが。それに価値があるってことも気づいてなかったので、だから「あっ」って光が当たった瞬間だった。

(N)とにかく可能性があるね、そこには。

(I)そうですね。今は本当に、失われていく職業ってのがどんどんどんどんできてきて、やっぱり大好きなことじゃ食べていけないよっていう時代から、大好きなことでしか食べていけないよっていう時代にどんどんなってきているので。だからこそ自分で発信していくっていうか、自分自身が自分の才能を認めて、それをちゃんとブランドっていうものでラッピングして、言葉で発信していくってことがものすごく大事になってくることだと思うので。もちろん私がコピーライティングしてもいいし、ご自身が書けるようになるっていうために講座をするし。だからどっちもやっていきたいなっていう。

(N)やってってほしいねぇ。さっきも言うように、年齢重ねて、このまま経っていけば、なんか違うことも出てくると思う。本当に。それがちょっと、どういう形の光の当たり方になっていくのかわかんないけれども、今のままもがきながら、あれこれ試行錯誤しながら、その講座もブラッシュアップしながら、誰かがどっかで焦点を当ててくれるカタチで、ガッといろんなものを取り上げられそうな気がしてならんのよ。

(I)そうですか、ありがとうございます。

(N)それくらい、誰でもが使える言葉なんだけれども、今言葉の中に愛を感じるってカタチで伝えることができれば、講座の生徒数が増えてくる気がする。

(I)そうですね、増やしたいです。増やしていきたいし、今はオンラインでも講座ができるので、世界中どこにいても時差をこえて場所をこえてできるので、すごい可能性は…。

(N)あると思います。

(I)うん。

(N)これもさっき聞いたけど、ブログに書いてあった文章もすごく良くって、人間決めないと…さっきのね、お値段のこともそうだけど、決めるっていう作業が自分の中である程度見えなかった部分もあると思うんだけど、決めました、これを基準でいきますっていうと、スッキリするじゃない?

(I)スッキリしますね。

(N)で、そっから始められるから、愛ちゃんの場合、始まってる段階でいろんな人があなたに注目すると思うのね。インタビューはこれで終わっちゃうけどさ、これだけは伝えたいなって思うことがあれば、どうぞ。

(I)このインタビュー?最後に?このインタビューはどなたに向けて?見るのは学生さんですか?

(N)ホームページに、同じ時代をいきる(活きる)っていうテスクがある。そこに向かってるんだけど、どうだろう。いろんな人から何気無くメルシーズののホームページを見て。

(I)何か探してる人たちが…。

(N)そうね。インタビューのコーナーもあるんだなぁみたいな。最後にって言われたときに、こういうことを伝えときたいなぁっていうのがあれば。

(I)そうですね...本当に今、ものすごく大きく時代は変わろうとしているっていうか、 オンラインっていうツールもあるし、でもだからこそ、こうやって生で会えるエネルギーってのも、ものすごいと思うんですよね。それってどっちが欠けてもダメで、どっちもあるからこそ、今までの時代にはなかったエネルギーのスパイラルが生まれているなっていうのを私はすごく感じていて。だからこそ、そこに乗っかるというか、スパイラルの中に飛び込んでほしい。そのために、まず自分自身のことと向き合うことですよね。「自分が何したいか分からない」だけど、「分からない」って思っているってことは、モヤモヤしてるってことは、それは新しい自分からの呼びかけなんですよ。「今の自分じゃない自分がいる」っていう、未来への予感。それが、モヤモヤっていうサインでもって、呼びかけてる。だから、まずは自分と向き合って、自分を愛することで、自分の才能を見つけてほしい。「え、こんなものなんの価値もないよ」って思ってたものこそが、実は本当にみんなが求めていることかもしれないんですよ。それは本当に、どんな人でも誰でも何か必ず持ってるものだと思うので、 それをまずちゃんと自分が認めて、磨いていってほしいなぁって。で、磨いていくってことを決めるのは、それってもう“宇宙への宣言”だと思うんですよね。宇宙への宣言だし、人々への宣言、自分への宣言。宣言すると、宇宙は味方してくれる。で、自ずと必要な人が集まってくる。 日本の数言葉で、「ひふみ(123)」ってありますよね。まず “ひ”は情熱。情熱っていうものがあるとあったかいし、火も灯るから誰かしらが集まってくる。で、“ふ” = 風が 起こる。風が起こるってのは、行動するってことですね。動くと風が起こりますよね?身体の周りに。風が起こると、“み” = 水が流れ出す。どんどんどんどん、いろんな人との繋がりが動き出して、ただ思っていたことが、目の前の形や現象として現れて、新しいプロジェクトが生まれたり。そういうふうになっていくと思うので、その“ひふみのステップ”というのを、すべての人が踏み出したら、この星はどんな星になるんだっていうこと ですよね。ちょっと前の時代だったら実現できなかったようなこと、ただの夢物語だったようなことが、今、本当全然夢じゃなくなってるっていう、ワクワク感を、まず自分が行動することで、伝えたいですね。

(N)リアルであることと、SNSを駆使しながら、それもスパイラルに乗せながらまた違う世界に行ける可能性がすごく大きい。

(I)そうですね。オンラインと生、どっちもあるからすごいってのもあるんですよね。 でも大前提として、その“ひふみ”のひ、じゃないですけど、「自分が何をしたいか」、その想いがなければ何も生まれない。どんな出会いも、便利なオンラインシステムも、ただのツールでしかないから。だからこそ、まず火をつける。そこから、最先端のオンラインツールとか、太古の昔かっらあるこういう生の出会いを利用しながら、灯した火をどんど ん燃やして繋がって、風を起こして、水を流していくっていうことを、私もやってる途中だし、誰かがそれをやっているのであれば、もう全力でお手伝いしたいし、勝手に応援しちゃうので(笑)。一人一人がそれをやっていったら、すごいことになるよっていう。 「一瞬で愛の星になるよ、地球は!」っていうことを、最近は本気で妄想してワクワクし ています。その実現のためにも、まずは自分から。ですね。

(N)以上、お話ありがとうございました。

 

(対談:2017.11.16   インタビュアー:メルシーズ 中田)

船戸 愛(FUNATO AI)
コピーライター、作家、愛ことば講師。時々フラダンサー。その人の“愛とミッション”を引き出すコピーライティングで、ブランドやウェブサイトの魅力を最大限に輝かせている。西海岸生活11年目、バンクーバーではカウンセリング、ヒーリングを学ぶかたわら絵本、小説、エッセイなど、アーティストとコラボした作品を創作。編集長を務めたウェブメディア『Star☆tS』では、本田健さんの初北米講演会など、“つながる・出逢える”イベントや講演会を企画・開催。近年は自身も『愛ことば講座』にて文章術やことだまの使い方をオンラインZoomで伝授中。愛を「伝える」、ひとを「つなぐ」ことを使命として活動の幅を広げています。

〈ウェブサイト〉http://ai-love-kotoba.com/〈Blog〉https://ameblo.jp/ai-love-kotoba/