(N)愛ちゃんのホームページを見させてもらって、中田ね、結構見たの。
(I)ありがとうございます(笑)
(N)前もここで話したときに、もっと全面に愛ちゃん自身を、自分を出しなよって話をしたけど。それが、すごく愛ちゃん自身が全面に出てて、あのホームページ。おぉ、いいなぁと思って。
(I)中田さんの言葉に勇気を頂いて。
(N)いやいや、覚悟があるんじゃないのって。その覚悟が、何か伝わってくる感じで、すごくいいなぁと思って。
(I)ありがとうございます。
(N)で、値段を決める。これがすごくいいなぁと思って。まず、そこの基準点(値段)を表に出したということは、すごくいいんじゃないかなぁって。それはどういう反応になるか、分かんないじゃない?でも、一つの基準が目の前に出てくれば、それは受け取る側が、いろんなことをそちらの判断で決めれるでしょ?それを相手に投げかけるということが、すごくいいことだなと思いながら、ホームページを見てた。
(I)ちょうど1年前、中田さんにお会いした時は、本当に、自分の価値がわからなかったんです。何年も奥さんして、まあ時々フリーの仕事もらったり、イベント企画したりコミュニティつくったり、何かしらしてましたけど、お金は稼いでもいいし、稼がなくてもいいって感じだったんですね。
だから、向こうで「自立する」って決めた時に、最初は不安で、「とりあえず英語で働かなきゃ!」って、スターバックスでバリスタしたりとか、ちょっとホステスしてみたりとか(笑)。結構、迷走していたんですよね。自分のコピーライティングの仕事で生きていくっていうのが全然信じられなかったから。
でもやっぱり、いろんな方が、「もっと出していったらいいよ、いいもの持ってるから」って言われて、初めて「そういえば、“書く”っていう仕事を、すごく置いてけぼりにしてたな」っていうのがあって。コピーの、言葉の仕事に本当に向き合うのが怖かったから、「できない」って決めつけて、逃げていたんですね。でも、逃げずに...逃げることにも勇気がいるので(笑)。なので、一回逃げずに本当に向き合ってみようかと思って。で、全部辞めたんですよ。お金のためにやってた仕事を、全部手放した。もう、すっぽんぽんなんですけど。何のあてもないし。でも、一回集中してやってみようって思った時期があって。そこからホームページを作ったり。自分のサービスに値付けをして。
(N)それは何か理由があるの?
(I)なんというか、好きじゃないことをできなくなったんですよね。スターバックスで 働いてるときに、すごく楽しかったし、世界的起業のサービスを勉強させてもらったし、 同僚やお客さんもみんな大好きだったんですよ。でもね、ふと、汗だくでラテとか作りながら、カウンターの向こうにいる綺麗なOLさんたちが...カッコイイスーツ着て、綺麗なヒール履いてビジネスしてる女性たちがいて。その後姿を見ながら、「あぁ、私もあっち側に行きたい!!」って、思っちゃったんです。
(N)でもあっち側の人が、こっち側を、いいなぁって思ったりもすることもあるでしょう?
(I)あぁ…そうですね。
(N)スタバで、初めての英語を使って仕事をするということは、当然いろんな成長段階があったと思うんだけど。どの仕事もいろんなことがあるんだよな。でもまぁ、今言う“言葉”…いろんなことがあって、いろんな流れがあって、言葉で勝負したいって思ったのは、言葉っていうのは、愛ちゃんにとってはどういうものになるの?
(I)言葉はどういうもの...なんかすごい質問がきた(笑)。言葉は、私はなんか小さい頃から、自然に側にあったというか。オタクな女子だったので、自分で漫画書いたりと か、その漫画に題名つけたり、キャッチコピーつけたりとか。セリフとかもそうですし。 なんか、ただ楽しんでやってたんですよね。思春期になるにつれて、それが小説になったりとか、詩になったり、おどろおどろしいヘヴィメタルの歌詞を和訳したり(笑)。
思春期になると、世の中に対する憤りとか、自分の中の抑えきれないエネルギーが溢れてますよね。とにかくガリ勉オタクヘヴィメタル好き女子だったので、発散するところがなくて、書くことでぶつけてたっていうか。それは別に誰に見せるものではなくて、ただただ自分のために書いてたんですよね。ヒーリング...じゃないけど、なんかこう、出てくるものを言葉にぶつけてたというか。
(N)それくらい溢れ出るものがあった?
(I)あったんですね。それはもうドロドロしたものだったんですけど。ティーンエイジャーの時の。
(N)書くことによって何か変わる?
(I)書くことによって、名前のつかないものに名前がつく。とか、形にすることでそれが解放されるというか。名前がつかないから、ずっと心の中に漂ってるので、それに名前をつけて出してあげるという作業だったんですよね。
(N)その作業をすることによって、何か自分が浄化されたりとか?
(I)そうですね。浄化されたと思いますし、出てきた言葉によって、自分自身がすごく楽になったとか。大したものは書いてなかったんですけど。暗黒な感じの、暗い感じの、なんかドロドロしたようなものを、ただぶつけていたんですけど。それによって自分を救っていたというか。別に誰にも見せてなかったですし、自分で仕事にしようとか一切思ってなかったんですけど。